足摺国有林の大自然と共に
古代ロマンの旅を楽しみませんか。
「おおど会の名前は土佐清水の地名大戸(おおど)から付けてます」
おおど会メンバーの谷さんの朗らかな口調で唐人駄場遺跡の案内が始まりました。
「唐人駄場遺跡には縄文時代早期(B.C.5,000年頃)から弥生時代にかけて、石器や土器片、矢じりが多く出土しちゅう、ここのストーンサークルは世界一の規模やろうと言われゆう。高さ6~7メートルもある巨石の唐人石があるし、他にもここの地区には250カ所の巨石があるといわれゆうが、その数もまだ確定はされちゃあせん。」
唐人とは異人、駄場とは平らな土地という意味だそうで、その昔この不思議な遺跡を異人が開拓した場所だと考えています。
そんなロマンある場所を案内して下さる、ボランティアガイドのおおど会。 登録者は40名ほどから成ります。 谷さんは5年前からガイドを始められたそうです。 おおど会はボランティアガイド活動の他にもトオルマの夕日が見れる場所に、現在絶滅の危機にある貴重なミナミヤンマ保護の為の里山づくりを目指して「おおどトンボ公園」を作り生育環境整備なども行っています。足摺の良さを知って貰いたいという気持ちと足摺の自然を残していきたいという熱い思いが伝わって来ます。
「昔は大型バスで来る団体の観光客の方をよく案内していたが、最近は家族やグループの少数の観光客の方にじっくり、ゆっくり足摺の良さを伝えて行く事も考えていかないかん。」
お客さんの希望に合わせ、案内する時間と場所は自由。 「山に行きたいのであれば、近くの白皇山も案内しますし、行きたい所と時間をいうてもろうたらかまんです。しかし、足摺の良さは一日では伝えきれん、やっぱり2泊3日くらいの気持ちで足摺には来て欲しい。」そう語る谷さん。
案内看板もなにもない森の中にある美しい巨石群を何ヶ所も案内して下さいました。谷さんの穏やかな語りとロマン溢れる唐人駄場魅力を感じていると、あっという間の時間です。
多くの謎を残し、不思議なパワーを放っている唐人駄場遺跡。
昭和61年県の公園整備工事にて、ストーンサークル内が整備され、中央部分の貴重な巨石が撤去されてしまったそうです。戦後、公園の場所は畑として活用されていた事を知る、当時の上空からの写真を谷さんから見せて頂きました。その時代に原始の人間が使用したとみられる、黒曜石の矢じりが多く出土。巨石の移動方法や研削の技術も謎に包まれています。人の匂いがする事は確かです。しかし未だ解明されていない事が多いそう。石の並びから(大きい石小さい石と順番に並んでいる様子)当初、ストーンサークル(唐人駄場遺跡)は弥生人が猪に農作物が食べられない様にする為石を置いた「しし囲い」ではないかとも云われていたそうです。
「あんた、この話しウソと思うてないかよ。おんちゃんが変な事いいゆうと思うてないかよ。今だにわからん事がこの唐人駄場巨石群にはいっぱいある。見に来てくれた人、それぞれの思いで唐人駄馬のロマンを感じて帰って貰いたい」と嬉しそうに笑顔で話す谷さんが印象的でした。
そんな多くの謎を残し、不思議なパワーを放っている唐人駄場遺跡。 小高い森の中、木々に囲まれ人知れずひっそり佇んでいる巨石の姿が何か語りかけている様に思えます。
ギリシャ神話『アルゴ船』に見立てて、作られたのではないかという巨石。 |
巨石のある場所へ向う入り口のひとつ。急に別世界へと誘われます。 |
風の神アネモスを司った巨石に向う途中の道。素敵な緑のトンネルが続きます。 |
松尾地区のアコウの木 熱帯雨林植物の生命力を感じます。 |
おおどトンボ公園。 |
臼碆の岬からの眺め。森と海が近いです。 |