高知自然の体験

塩と山を結ぶ道 土佐塩の道保存会 (香美支部・赤岡支部) 会長 公文寛伸さん

大山から海へ、
海から山へ。
遠い昔に思いを馳せて歩きませんか。

塩の道を歩いてみませんか

いまから400年ほど前、海辺の町赤岡でとれた塩を山深い物部の里まで運ぶため人々が行き来していた「塩の道」を、往時をしのんで歩いてみませんか。ベテランガイドの案内で、2~30kmまで8通りのコースの中から選んで歩いていただけます。

料金 案内人1人
半日ガイド/6,000円 1日ガイド/10,000円
*1人のガイドで案内できるのは10~15人ぐらいです。看板や道標を目印に自分たちだけで歩くこともできます。
所要時間 約10時間30分(赤岡塩市跡~塩峯公士方神社)
予約 要予約
期間 通年
その他 途中、庄谷相多目的集会所前、黒見休憩所、文代峠、あぐりのさとなど、休憩できる場所もあります。
アクセス 高知市中心部から約1時間30分 最寄りIC:南国
<地図はこちら>
お問合せ・申込みはこちら
香南市観光協会

TEL 0887-56-5545・FAX 0887-56-5545


香美市観光協会

TEL 0887-53-1084・FAX 0887-53-2177


土佐塩の道保存会(香美支部・赤岡支部)
会長 公文寛伸さん

TEL 0887-58-3702・FAX 0887-58-3702
または


※お返事にはお時間がかかる場合がございますので予めご了承ください。

「塩の道」にふたたび光を!公文寛伸さんの挑戦。


庄谷相屋敷丁石

山深い物部の里のくねくね続く山道を、さらに奥へと登っていったところに、公文寛伸さんは暮らしています。公文さんの自宅周辺には、「紫翠園」と呼ばれる美しい庭園が広がっていて、紫陽花や山吹など自然の花々が四季を通じて楽しめます。この庭は、生まれた土地で年を取っていきたいという公文さんの夢のカタチでもあるのです。自然を愛し、故郷を愛する公文さんの次に向かった夢が「塩の道」でした。「塩の道」とは、香南市赤岡町と香美市物部を結ぶ約30kmの、山と海を結ぶ峠越えの道のこと。公文さんが「塩の道」に出逢ったのは平成14年。物部村の庄谷相に、昭和の南海地震で倒れていた石があり、土地の持ち主から「これを起こしてみてくれないか」という依頼が、仕事を辞めたばかりの公文さんにありました。その呼びかけに応え、住民有志8名で建て直したのが「塩の道」再整備のきっかけとなったのです。


赤岡から物部まで、
生活必需品を運んだ道です。

その石は「屋敷丁石」と言います。「屋敷丁石」とは、目的地までの距離を示した石のことで、物資の運搬や人々が相互往来していた証です。しかし、当時は、けもの道で、人通りもなく、使われてはいませんでした。その石の存在自体それまでまったく知らなかったという公文さんですが、いろいろ調べるうちに、興味がわき、塩が運ばれてくる海の町、赤岡まで歩いてみることに。赤岡に着いた時はすっかり日が暮れていたけれど、うっそうと生い茂った木の間を通ったり、日のあるうちにたどり着けるか不安になったりしながら、何とか到着し、ちりめんじゃこなどを買って帰ってきたそうです。


時代とともに便利な世の中になるけれど、その一方で日本の尊い文化が忘れられ、消えていくのではないか。昔のものを守りながら、新しい時代に進んでいくことはできないか。そんなときに出逢ったのが「塩の道」でした。「この道のことを、もっと多くの人に知ってほしい」。そんな熱い思いで道の復元を始めました。

昔のものを守りながら、いまを生きる。
生まれたこの場所を皆に知ってほしい。


公文寛伸さんは元気いっぱい



紫翠園の建物「温古庵」に
あった瓢箪。

町内外の協力者も増え始め、仲間とともにでコツコツと道の整備を行っていた公文さん。「塩の道」は、平成16年、日本ウォーキング協会が選定する「歩きたくなる道500選」に選ばれ、復元活動はさらに軌道に乗り始めました。さらに、「塩の道」を地域おこしにつなげようと、地元の女性たちに声をかけてできたのが「おばやんの竹弁当」です。山菜など地元の食材を使い、器も地元に生えている竹や葉っぱがお皿代わり。「塩の道」にしかないオリジナルの弁当が誕生しました。さらに、休憩所の設置や「塩の道」の歴史や自然、昔話などの紹介をするガイドなど、気軽に訪れてもらえるような取り組みをがどんどん広がっていきました。

賑やかな道ではないけれど、確かに、この道によって多くの人々の命が生かされてきました。塩だけでなく、煙草、お茶、穀物などあらゆる物資がこの道を通り人々の生活を支えていたのです。

皆で一緒に作り上げてきた「塩の道」。この道をたくさんの人に知ってもらい、歩いてもらうことで、この土地の魅力を多くの人に伝えていきたいという公文さん。山に夢を描く達人です。

平成23年に10周年を迎えた塩の道保存会


保存会会長と一緒に歩きながら行く塩の道。救護車も同行し長時間でも安心して歩く事が出来ます。距離が長い塩の道「朝から晩までのみち」約10時間コースから「源太のみち」約2時間30分のコースなど他16区間に別けられており、好きなコースを選んで歩く事も可能。大栃地区「朝の散歩みちコース」では保存会会長が小学生時代に通っていたという場所があり、当時を振り返りながらの案内に熱い思いがつのる公文会長。当時の塩の道の様子が鮮明に伝わって来ます。塩の道は「生活の道」で有り多くの人の歴史を刻んでいる事が伺えます。


塩を運んでくれていた馬に付けていた鈴(現物写真)。
道幅の狭い塩の道、遠くから人が来る事をいち早く知らせる合図として活用されていました。


旅人や馬の安全を祈祷した「馬頭観音」

猪が木に体を擦りつける場所があります。

子どもたちからメッセージが届きました。

赤岡の塩を物部まで運びました。

トイレも木で囲んで自然の雰囲気をこわさないようにしています。

手作りでつくった桜公園は、休憩場所として活用しています。

塩の道を歩きながら自然の草木を楽しめます。

「塩の道」キャラクター「さくら丸」の看板が各ポイントに設置されており 道案内をしてくれます。

黒見休憩所にて。

塩の道の途中にはのどかな里山風景も。

塩の道でスタンプラリーが楽しめます。

おばやんの竹弁当


素敵な竹弁当を作られている保存会メンバーのひとり小松さん。この着物は小松さんのおばあさんが織って作られた着物だそうです。「庄谷相屋敷丁石」小松さんが幼い頃からよく遊んでいた畑に落ちて転がっていたそうです。それをどうしても起こしたいと平成14年3月に住民の方8名で建て直したのが、塩の道再整備のきっかけ。「私の30年来の思いが叶ったのよ!」と嬉しそうに話して下さいました。地元の方の愛情を感じる塩の道。丁石の隣に建てた小さな碑は小松さんがこの嬉しい思いを歌にした句。「丁石や願い叶いし春りんどう」と刻まれています。


地図入りのスタンプラリーの台紙や塩の道案内帖も作成。
各ポイントの見どころ、歴史など詳細な塩の道の案内が掲載されています。



土佐塩の道保存会(香美支部・赤岡支部) 周辺マップ

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